暗鬱な美しき煉獄を駆ける秀作ローグライト、『West of Dead』批評的感想

今年6月は世界のゲーマーにはキツい1ヶ月だった。 バトロワを事実上完成させた『Apex Legends』のカウンターとして古典回帰的な 『Valorant』 がFPS界隈を賑わすなか、今月初めにまず多くのデベロッパーが新作発表を矢継ぎ早に撃ちだして物量攻勢の火蓋を切った。

8秒間の戦術が生死をわける秀作ストラテジー、『Broken Lines』批評的感想

ストラテジーゲームの醍醐味は何といって最大効率を計るプランが物の見事にハマった瞬間だろう。 敵の群れに攻撃チャンスを渡すことなく完封したとき、兵站を工夫して戦闘のリソースを安定化させられたとき、何度目かのやり直しの末に無駄のない開発手順で序盤の難所を乗り切ったとき。

ヒロイン依存の疑似RPG、『ファイナルファンタジー7 リメイク』批評的感想

最近、日本の国産デジタルゲームの世界的躍進が目覚ましい。 昨年最も評価された作品『Sekiro: Shadow Dies Twice』や『デス・ストランディング』にはじまり、今の新型コロナ禍による外出禁止もあってか『あつまれ どうぶつの森』や『バイオハザード RE3』、そして『ファイナルファンタジー7 リメイク』(以下、『FF7R』と略記)の情報を海外のゲームメディアが日夜熱心に発信している印象を受ける。

高校野球部でイジメられていた僕が香川県のゲーム規制条例案に反対する理由

先日、神戸市立東須磨小学校の教師間イジメで加害者側の4人が暴行と強要の疑いで書類送検された。 この4人もイジメのご多分に漏れず「面白いからやった」「受け容れられていると思った」と述べており、イジリがエスカレートした結果としての教師間イジメだったことを伺わせる――ひょっとしたらこの4人は今でもイジメとは思っていないかもしれない。

兄弟開発がきわめた美しさの粋、『Beautiful Desolation』批評的感想

デジタルゲームの素晴らしいところは様々な創作物を要素として呑み込んで昇華する貪欲さだ。 ゲーム本来がもっていた競技性やチャレンジ性とは別に、物語や映像、音楽、快楽、創造行為そのものさえも作品内の要素としてとり込んでいるという意味で、近年のデジタルゲームはその総合性の観点からほかのあらゆるアートメディアに1歩も2歩も抜きん出ている。

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