羊谷知嘉 Chika Hitujiya
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兄弟開発がきわめた美しさの粋、『Beautiful Desolation』批評的感想

デジタルゲームの素晴らしいところは様々な創作物を要素として呑み込んで昇華する貪欲さだ。 ゲーム本来がもっていた競技性やチャレンジ性とは別に、物語や映像、音楽、快楽、創造行為そのものさえも作品内の要素としてとり込んでいるという意味で、近年のデジタルゲームはその総合性の観点からほかのあらゆるアートメディアに1歩も2歩も抜きん出ている。

好きと正義の推し/押し付け、ツイフェミvsオタクの表現の自由論争を考える

最近 “ツイフェミ” が暴れに暴れている。 ツイフェミというネット用語はもともと好きではなかったし使ってもこなかったが、彼女たちを “フェミニスト” と呼ぶのは男女平等の理念をまっとうに有しているマジメな学者や活動家に失礼なので便宜上この言葉を使う。

メトロイドヴァニアの真骨頂、『Journey To The Savage Planet』批評的感想

デジタルゲームの世界を追い続けるのはなかなか骨が折れる。 毎月毎週のように新作タイトルがリリースされるなかで様々なジャンルの壁に敬意を払いつつも乗り越えていかなくてはならず、クラシックと呼ばれる金字塔的作品を勉強するのはもちろんのこと、一般的には陽の眼があたっているとは言い難い優れた過去作を掘り返すのも批評家としては必要な作業だろう。

JRPGに換骨奪胎した記念碑的作品の問題、『龍が如く7』批評的感想

任侠道へのロマンティシズムに満ちた『龍が如く』シリーズをプレイする日が来るとは夢にも思わなかった。 デジタルゲームをプレイするのは男だけといわんばかりの汗臭さに彩られた見栄と名誉のアナクロな世界観、それでも僕が購入したのは本作の主人公であり派手なツイストパーマがトレードマークの春日一番が既存のヤクザのコードを絶妙に踏み外していて何か奇妙に新しいものを感じたからだ。

想定読者に幅をもたせること、空乃木凛『天籟の麒麟』批評的感想

空乃木凛さんの『天籟の麒麟』の批評を書きます。 この作品は、以前採りあげたノベルジャム2019で制作され、見事グランプリに輝いたチームKOSMOSKOSMOSの森きい子『天籟日記』の二次創作になります。

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