デジタルゲームの世界を追い続けるのはなかなか骨が折れる。 毎月毎週のように新作タイトルがリリースされるなかで様々なジャンルの壁に敬意を払いつつも乗り越えていかなくてはならず、クラシックと呼ばれる金字塔的作品を勉強するのはもちろんのこと、一般的には陽の眼があたっているとは言い難い優れた過去作を掘り返すのも批評家としては必要な作業だろう。
JRPGに換骨奪胎した記念碑的作品の問題、『龍が如く7』批評的感想
任侠道へのロマンティシズムに満ちた『龍が如く』シリーズをプレイする日が来るとは夢にも思わなかった。 デジタルゲームをプレイするのは男だけといわんばかりの汗臭さに彩られた見栄と名誉のアナクロな世界観、それでも僕が購入したのは本作の主人公であり派手なツイストパーマがトレードマークの春日一番が既存のヤクザのコードを絶妙に踏み外していて何か奇妙に新しいものを感じたからだ。
カジュアル化の革新なき失敗作、『アウターワールド』批評的感想
賛否両論の作品や言論は2種類に分かれる。 何らかの過激さが保守層の堅い反抗心を呼び覚ます場合と作品の外部にある状況やプロモーションなどから周囲の期待が高まり過ぎる場合で、いずれの場合も作品を鑑賞しようという冷静さというか落ち着きを失わせるものだ――そもそも鑑賞能力が備わっているかどうかは別として。
ゲーム文学の新しい傑作、『ディスコ・エリジウム』批評的感想
今、海外のひと握りのゲームメディアやコアゲーマーがある新作PCゲームを絶賛している。 10月15日に steam で配信開始された za/um スタジオ開発のオープンワールドRPG『ディスコ・エリジウム』だ。
マジック歴2ヶ月の批評家がMTGアリーナの魅力を語る
Magic: The Gathering を知っているだろうか。 去年、ポケモンカードを YouTuber らがこぞって採りあげて全国のカードショップやメルカリで価格が高騰したことが記憶に新しいが、1993年に発売開始のマジックは世界初のTCG(トレーディング・カードゲーム)としてポケカやデュエルマスターズ、ハースストーン、シャドウバースの祖にあたる。