※本文内の用語は原則として D&D 公式のものに従っていますが、不明なもの、公式の訳語がないもの、Larian 独自のものは羊谷知嘉の翻訳になります。日本語版 BG3 を確認次第修正予定(11/14)
レンジャー
ヒットダイス d10
Lv.1 得意な敵 自然探検家
Lv.2 呪文発動 戦闘スタイル
Lv.3 レンジャーの類型(サブクラス選択
Lv.4 特技/能力値選択
Lv.5 追加攻撃
Lv.6 得意な敵 自然探検家
Lv.7 地形踏破
Lv.8 特技/能力値選択
Lv.9
Lv.10 擬装 得意な敵 自然探検家
Lv.11
Lv.12 特技/能力値選択
レンジャーの強みはなんといってもサブクラスのユニークさです。
野獣を召喚するビースト・マスターはもちろん、奇襲特化のグルーム・ストーカーや武器攻撃を強化するハンターなどロールプレイとしても戦闘能力としても興味深いです。
一方、基本のクラスパスでは戦闘面よりも探索面に重きがあり、たとえば、レベル 1 ではひとつ選択ですがレベル 6 や 10 で複数修得できる得意な敵 Favored Enemy にそこまで価値があるかはやや疑問です。とくにこれで得られる技能習熟はいずれもレンジャーの戦闘能力に絡まない【知力】ベースのものなので噛みあいもよくありません。
- 賞金稼ぎ Bounty Hunter:〈調査〉の習熟を得る、あなたがエンスネアリング・ストライクを当てた敵はセーヴィング・スローに不利を得る
- 次元の守り手 Keeper of the Veil:〈秘儀〉の習熟を得る、プロテクション・フロム・イービル・アンド・グッドを修得する
- 魔術師殺し Mage Breaker:〈秘儀〉の習熟を得る、トゥルー・ストライクを修得する
- レンジャーナイト Ranger Knight:〈歴史〉の習熟を得る、重装鎧の習熟を得る
- 神性なる追跡者 Sanctified Stalker:〈宗教〉の習熟を得る、セイクリッド・フレイムを修得する
また、自然探検家 Natural Explorer もあって困らないですがやはりレベルを上げて複数取得すべきかは悩みどころ。
- 動物使い Beast Tamer:ファインド・ファミリアを呪文スロットを消費することなく唱えられる
- 都市追跡者 Urban Tracker:〈手先の早業〉を修得する
- 荒野の放浪者(火)Wasteland Wanderer: Fire:[火] ダメージの耐性を得る
- 荒野の放浪者(冷気)Wasteland Wanderer: Cold:[冷気] ダメージの耐性を得る
- 荒野の放浪者(毒)Wasteland Wanderer: Poison:[毒] ダメージの耐性を得る
そのため、レンジャーをいちから育てるならレベル 5 以降のマルチクラスの検討を検討するといいでしょう。ただし、ビースト・マスターはクラスレベルでアニマル・コンパニオンも強くなるのでレベル 11 まではシングルクラスが安定です。今話題の熊といっしょに戦えるのはレンジャーだけ!
反対に、他のクラスからのマルチ先としてレンジャーを考えると、サブクラスもふくめて有用な能力がレベル 3 までにおさまるので魅力的な選択肢になります。とくにレベル 3 の恐るべき奇襲 Dread Ambusher で戦闘開始ターンに追加ダメージを得るグルーム・ストーカーや、強敵狩り Colossus Slayer で条件付きの追加ダメージを得たり複数の敵を武器攻撃の対象にできるハンターは強力です。くわしくは末尾のコメントを参照。
そのため、レンジャーは素直に育てるぶんにはかんたんですが、戦闘の強さをもとめると物足りず、マルチクラスの知識がおのずと必要になるため中級者向けともいえます。
レベル 2 の戦闘スタイル Fighting Style の選択肢を考えると、基本的には【敏捷力】ベースで育てるといいでしょう。
- 弓術 Archery:遠隔武器での攻撃ロールに +2 のボーナスを得る
- 防御 Defense:鎧を着ているときアーマークラスに +1 のボーナスを得る
- 片手武器戦闘 Dueling:両手用でない武器を片手にもち、もう片方の手に武器をもたないとき、武器攻撃のダメージに +2 を追加する(盾は可能、武器の投擲攻撃にも追加
- 二刀流 Two-Weapon Fighting:ふたつめの武器で攻撃するとき、そのダメージにも能力修正値を追加する
僕のオススメの能力値は、敏捷力>耐久力=判断力で、戦闘スタイルは弓術か二刀流です。
ただし、得意な敵でレンジャーナイトを選択することで重装鎧にも習熟できるため【筋力】ベースのビルドも考えられること、一部の弓は【筋力】修正値をダメージロールに加算するものもあるので【筋力】をどこまで下げるかは好みによります(ただし【筋力】を一時的に上昇させる消費アイテムやレア装備も入手できる
また、レンジャーは【判断力】が呪文発動能力値ですが、術者メインのクラスではないため【耐久力】とどちらを優先するかもあなた次第です。おなじ理由で、呪文を維持するための精神集中の判定に有利を得る特技「戦場の術者 War Caster」を修得するかも微妙なところ。そういう事情もあり、おなじ【敏捷力】ベースでも敵から狙われにくいバックラインから弓矢で火力を出す方がビルドとしてはスマートでしょう。
ちなみに、弓術メインの場合には特技「射撃の名手 Sharpshooter」で火力を底上げすることを強く勧めます。
ペットビルドで相棒を愛でながら闘うもよし、森や街の “影” から敵を射貫くもよしのテクニカルなレンジャーにぜひ挑戦してみてください。
ビースト・マスター Beast Master
通常のアクションとして 18m 範囲内にアニマル・コンパニオンを召喚する、その種類とステータスについては下記のリストを参照
あなたの習熟ボーナスを動物コンパニオンの AC とダメージロールに加算する
あなたのアニマル・コンパニオンはボーナスアクションとしてダッシュと離脱と援護ができるようになる
動物コンパニオンは追加攻撃を得る
グルーム・ストーカー Gloom Stalker
イニシアチヴに +3 の追加ボーナスを得る、戦闘時の最初のターンのみあなたの移動速度は 3m 増加し、1−8 ダメージを追加した攻撃を 1 度だけおこなえる
ボーナスアクションとして〈隠密〉判定に成功することで身を隠すことができる
あなたが遮蔽状態にあるなら、通常のアクションとして 10 ターンのあいだ不可視状態になる
暗闇のなかでも最大 24m 視ることができる
【判断力】と【知力】のセーヴィングスローに習熟を得る
あなたが武器攻撃を外したとき追加の武器攻撃を無償でおこなえる
Lv.3 ディスガイス・ユアセルフ
Lv.5 ミスティ・ステップ
Lv.9 フィアー
ハンター Hunter
以下からひとつ選択
・強敵狩り Colossus Slayer:ターンにいち度、対象のヒットポイントが最大値でないならあなたの武器攻撃に 1-8 ダメージを追加する
・でかぶつ狩り Giant Killer:大型かそれ以上のサイズのクリーチャーがあなたを攻撃するならリアクションを使って攻撃してもよい、その者はあなたから 1.5m 範囲内におり、見えていなくてはならない
・群崩し Horde Breaker:あなたの攻撃は隣りあっている2人のクリーチャーを対象にできる
以下からひとつ選択
・くぐり抜け Escape the Horde:あなたへの機会攻撃は不利になる
・鋼の意思 Steel Will:恐怖状態のセーヴィングスローにあなたは有利を得る
・追打ち封じ Multiattack Defence:敵があなたを攻撃するとき、次のターンの開始時までおなじ敵の追加の攻撃ロールに -4 のペナルティを与える
通常のアクションとして 18m 範囲内に 3m 範囲の円状の攻撃をする
通常のアクションとして 3m 範囲内のすべての敵に武器攻撃をする
リスト:アニマル・コンパニオン
コンパニオンはレンジャーのクラスレベルによって成長し、あらたな能力を獲得する、以下に記載のステータスは修得レベル時点のものでレンジャーのパッシブも含む
Lv.3 ウルサ Ursa
・引っ掻き Claws:通常のアクションとして 3-10 [斬撃] ダメージを与える
・挑発の唸り声 Goading Roar:通常のアクションとして 9m 範囲内の敵が 2 ターンのあいだあなたを攻撃するように仕向ける
・獲物の匂い Prey’s Scent:レンジャーの狩人の印が付いている敵に追加の 1-6 ダメージを与える
HP: 19 AC: 11
【筋力】15【敏捷力】10【耐久力】14【知力】2【判断力】12【魅力】7
Lv.5 一流のウルサ Ursa Major
・ハチミツまみれの足 Honeyed Paws: 通常のアクションとして 3-10 ダメージを与えて敵の武器を落とす、なにも持っていないなら伏せ状態にする
HP: 39 AC: 15
【筋力】15【敏捷力】10【耐久力】16【知力】2【判断力】12【魅力】7
Lv.11 巨大なるウルサ Ursa Ingens
・ウルサの援軍 Ursine Reinforcements:9m 範囲内にともに戦う一流のウルサを召喚する
HP: 99 AC: 18
【筋力】19【敏捷力】10【耐久力】16【知力】2【判断力】12【魅力】7
Lv.3 ヴェレス Verres
・牙攻撃 Tusk Attack:通常のアクションとして 2-7 [斬撃] ダメージを与える
・猪の突撃 Boar Charge:通常のアクションとして 9m 範囲内に突撃し、直線上のすべての敵にダメージを与えて 2 ターンのあいだ伏せ状態にする、機会攻撃は誘発しない
・獲物の匂い Prey’s Scent:レンジャーの狩人の印が付いている敵に追加の 1-6 ダメージを与える
HP: 11 AC: 11
【筋力】13【敏捷力】11【耐久力】12【知力】2【判断力】9【魅力】5
Lv.5 一流のヴェレス Verres Major
・激怒 Rage:ボーナスアクションとして激怒状態になり、あなたの近接攻撃は追加の 2 [斬撃] ダメージを与え、物理ダメージ耐性を得て、【筋力】判定とセーヴィングスローに有利を得る(能力説明にはないが、ver.4.37 環境だとさらに 1-4 [斬撃] ダメージが追加される
・狂乱攻撃 Frenzied Attack:ボーナスアクションとして 3-8 [斬撃] ダメージを与える
HP: 27 AC: 14
【筋力】15【敏捷力】11【耐久力】12【知力】2【判断力】9【魅力】5
Lv. 11 災厄のヴェレス Verres Calamitosus
・泥の蹴り上げ Kick Up Muck:通常のアクションとして 9m の円錐内にいるクリーチャーを泥塗れにする、移動速度が半減し、 AC と【敏捷力】が 2 減少する
HP: 85 AC: 17
【筋力】15【敏捷力】11【耐久力】16【知力】2【判断力】9【魅力】5
Lv.3 アラネア Aranea
・有毒の噛みつき Venomous Bite:通常のアクションとして 4-11 [刺突] ダメージを与えて 2 ターンのあいだ毒状態にする
・ウェブ Web:18m 範囲内の任意の地点に 3m 範囲の蜘蛛の糸を吐きつけてクリチャーをスロウ状態にし、さらに【敏捷力】セーヴィングスローに失敗すると拘束状態にする
・暗視 Darkvision:暗闇でも最大 12m の視界を得る
・巣を歩きし者 Web Walker:ウェブによって移動速度が下がらず拘束状態になることもない
・獲物の匂い Prey’s Scent:レンジャーの狩人の印が付いている敵に追加の 1-6 ダメージを与える
HP: 10 AC: 14
【筋力】12【敏捷力】16【耐久力】13【知力】3【判断力】12【魅力】4
Lv.5 一流のアラネア Aranea Major
・繭 Cocoon:通常のアクションとして対象を繭状態にし、3 ターンのあいだダメージを受けるか【筋力】セーヴィングスローに成功するまで行動不能状態にする
HP: 24 AC: 18
【筋力】12【敏捷力】18【耐久力】13【知力】3【判断力】12【魅力】4
Lv.11 有剣類のアラネア Aranea Aculeata
・八脚のワルツ:ウェブの地表の上でターンを開始するとき、あなたは追加の移動速度と [毒] の耐性を得る
・血の炸裂 Bursting Brood:通常のアクションとして 9m 範囲内のクリーチャーに 2-20 ダメージを与えて感染状態にする、感染状態では子蜘蛛が這いまわり毎ターン 5-8 [刺突] + 5-8 [毒] ダメージを与え、死亡時には付近のクリーチャーに感染状態を拡げる
HP: 60 AC: 21
【筋力】12【敏捷力】18【耐久力】13【知力】3【判断力】15【魅力】4
Lv.3 コルウス Corvus
・クチバシ攻撃 Beak Attack:通常のアクションとして 4-10 [刺突] ダメージを与える
・視界を奪う Rend Vision:通常のアクションとして 3-8 [刺突] ダメージを与えて 2 ターンのあいだかならず盲目状態にする
・飛行 Fly:18m 範囲内の任意の地点に飛行する
HP: 13 AC: 16
【筋力】6【敏捷力】14【耐久力】8【知力】3【判断力】12【魅力】6
Lv. 5 一流のコルウス Corvus Major
・凶兆 Bad Omen:通常のアクションとして 9m 範囲の対象に 2-16 [刺突] ダメージを与えて 2 ターンのあいだ呪い状態にする、呪い状態の敵に対する攻撃ロールは有利を得る
HP: 21 AC: 19
【筋力】6【敏捷力】14【耐久力】10【知力】3【判断力】12【魅力】6
Lv. 11 俊敏なるコルウス Corvus Celer
・黒翼 On Black Wings:二羽のレイヴンを味方に召喚する、それらを操作することはできない
・レイヴンの視界 Raven Sight:盲目状態にならない
・飛行 Fly:18m 範囲内の任意の地点に飛行し、2 ターンのあいだダークネスを発生させる
HP: 44 AC: 21
【筋力】6【敏捷力】14【耐久力】10【知力】3【判断力】14【魅力】8
Lv.3 ループス Lupus
・噛み付き Bite:通常のアクションとして 4-10 [刺突] ダメージを与える
・噛み付きかかり Lunging Bite:通常のアクションとして 3-6 [刺突] ダメージを与えて伏せ状態にする
・集団戦術 Pack Tactics:攻撃対象の 3m 範囲内に味方がいるならその攻撃ロールに有利を得る
HP: 11 AC: 13
【筋力】12【敏捷力】15【耐久力】12【知力】3【判断力】12【魅力】6
Lv. 5 一流のループス Lupus Major
・感染性のある噛み付き Infectious Bite:通常のアクションとして 4-10 [死霊] ダメージを与えて 3 ターンのあいだ腐敗状態にする、腐敗状態では【耐久力】が 1 減少し、【耐久力】セーヴィングスローに不利を得る
HP: 31 AC: 16
【筋力】12【敏捷力】15【耐久力】15【知力】3【判断力】12【魅力】6
Lv. 11 ループス・オプティマス Lupus Optimus
・オオカミの斬撃 Lupine Slash:通常のアクションとして 3m の円錐内にいるクリーチャーに 8-18 [力場] ダメージを与える
HP: 91 AC: 21
【筋力】12【敏捷力】18【耐久力】15【知力】3【判断力】12【魅力】6
リスト:レンジャー呪文
アニマル・フレンドシップ Animal Friendship
エンスネアリング・ストライク Ensnaring Strike
キュア・ウーンズ Cure Wounds
グッドベリー Goodberry
ジャンプ Enhance Leap
スピーク・ウィズ・アニマルズ Speak with Animals
ハンターズ・マーク hunter’s mark
フォグ・クラウド Fog Cloud
ヘイル・オブ・ソーンズ Hail of Thorns
ロングストライダー Longstrider
サイレンス Silence
スパイク・グロース Spike Growth
ダークヴィジョン Darkvision
バークスキン Barkskin
パス・ウィズアウト・トレイス Pass without Trace
プロテクション・フロム・ポイズン Protection from Poison
レッサー・レストレーション Lesser Restoration
カンジャー・バレッジ Conjure Barrage
デイライト Daylight
プラント・グロウス Plant Growth
プロテクション・フロム・エナジー Protection from Energy
ライトニング・アロー Lightning Arrow
コメント
パーティーの枠がなくて未使用。
レンジャーは正直地味といわざるをえないが、アニマル・コンパニオンをゆいいつもてるサブクラスがあり、残りのふたつもマルチクラス先としては有用なのでビルドの可能性を感じる。かわいいは正義。
以下、サブクラスの感想。
ビースト・マスターは召喚できる動物がいずれも火力を期待できるものではないが、基本的に頭数をコストなしでふやせるのは強い動きなので弱くはない印象。ただし、レイブンといい、蜘蛛といい、行動阻害能力に長けたコンパニオンが多いのでその強みを活かすにはテクニカルな戦術が要求される。逆にいえば、パーティーに暗視持ちをふやすなど専用構築を組むことで意外に輝いたりする、かもしれない。
グルーム・ストーカーはとにかく恐るべき奇襲が優秀で、最初のターンにどれだけ敵の頭数を減らせるかという本作のゲーム性にマッチしている。ただ、どこまでレベルを上げるかは難しいところで、おなじく奇襲に特化したローグのアサシンがマルチクラス先の筆頭候補。また、二刀流ビルドでボーナスアクションを使って武器攻撃できるならシーフも面白い、はず。
ハンターはレベル 3 の守りの技の選択が悩ましい。序盤では強敵狩りが安定するだろうが、中盤ではタンクがヘイトを稼げるなら群崩しの方が殲滅力は上がるはず。近接ならでかぶつ狩りも悪くない。難しいのはどこまでレベルを上げるかとマルチクラス先だ。怒涛のアクション目当てにファイターを混ぜるのが定番ではある。
そうじて、いずれもテクニカルなビルドやパーティー構成やタクティクスを要求されるという意味では面白いのがレンジャー。アニマル・コンパニオンと心中しないならぜひマルチクラスに挑戦してみてほしい。
ちなみに呪文はボーナスアクションで追加ダメージを与えるレベル 1 呪文「ハンターズ・マーク」があればそれでいい、はず。【判断力】を伸ばしにくいクラスなのでセーヴィングスローを要求しない行動阻害や自分へのバフを修得するのが無難。