今日、私達は山のように膨大な量の細かい仕事を、多種多様な知識とスキル、文化背景をもったひとたちと連携し、最終的な完成の観えづらいゴールを目指して日々処理し続けるよう常に差し迫られています。
もちろんそれは、企業や役所勤めに限らず、起業や会社経営は当然として、学術研究や芸術活動、あるいは、金銭的利益と結びつかない趣味の世界にもいえるでしょう。
これが、私たちの生きる現代という時空間の苦悩であり落とし穴です。
本来、クリエイティヴな仕事は熟考しながらゆっくり進めないとかえって将来の負担を増やしてしまうものなのに、今や多くの人が目先のタスクをとりあえず片付けることに囚われています。
困難なときほど人間は考える余裕を失ってしまう。
困難なときほど状況を打開するための的確な判断が必要なのに、です。
では、熟慮の余裕がないときでもなるべく適切な行動をするためにどうすれば良いか?
出来る限りシンプルで、出来る限り多くの場面で通用する原理原則を、出来る限り少数もち、常日頃からそれを活用して習慣付けていく。これが一番ではないでしょうか。
今回私が書いたのは、そうした生き方の原則集、サバイバル・シンキングです。
多少の厳密さは犠牲になっても、可能な限り軽量で強力な効果を発揮できる生き方の思考術を、皆様にお送りします!
参考記事
- 【順次更新予定】家訓を作ろう!
1. 闘争原則
1. 1 人生のあらゆる状況は闘争の場である
闘争に勝ち続けることを生の目的と見定めるべし
1. 2 闘争とは己の勢力の更なる増大をめざした活動だ
勢力の度合いは、自分の叶えられる欲望の強大さで測定できる
1. 3 闘争の場はスケールの大小を問わない
宇宙空間における己の行動も闘争であり、趣味のささやかな行動も闘争である
2. 闘争の結末と基本戦略
2. 1 闘争の結末は、勢力の増大・維持・減退のいずれかである
2. 2 闘争の場では常に勝利か逃走をめざせ
勝利とは、勢力の増大である
逃走とは、勢力の増大を諦め、可能な限りの減退回避のために闘争の場を速やかに離脱することだ
2. 3 逃走は積極的に行うべし
自分の勢力が減退する可能性が80%を越えたら積極的に逃走せよ
2. 4 敗北しても深刻になり過ぎるな
勢力がゼロにならない(生きている)限り、挽回可能である
闘争の痛手で再起不能にならないよう早期の逃走を心掛けよ
3. 闘争の敵と仲間
3. 1 闘争にはかならず打ち倒すべき敵がいる
敵を打ち倒すことが闘争の目的達成条件である
敵は、別の人間から社会集団、自然物までのあらゆる物事が該当する
3. 2 同じ闘争を協力して行える裏切らない仲間を作るべし
仲間は自分の判断の狂いをより適切な方向に修正してくれる
仲間は自分が苦手な仕事を代わりに引き受けてくれる
4. 敵の選定
4. 1 敵は可能な限り作るな
敵を増やすと闘争の場も増え、各戦線に割ける勢力が減って不利になる
4. 2 常にそのとき打ち倒すべき敵を持ち、これと戦え
自分がいちばん打ち倒すべき敵を見極め、その敵を破り、己の勢力を拡大し続けよ
4. 3 複数の敵と同時には闘うな
敵の数の自乗に比例して相手の力を余計に強く感じてしまう
5. 仲間のマネジメント
5. 1 仲間を作るには他者が抱えている闘争をよく洞察せよ
同じ闘争を同じ目的で協力しあえる関係でなければ仲間にはなれない
ただし、闘争の場はお互いに異なっていてもよい
5. 2 仲間の信頼をまずは勝ち得よ
常に仲間のためになる行動を行うことで仲間の信頼を得られる
安定した行動を長期にわたりとり続けることが信頼関係を強くさせる
5. 3 仲間には相手のしたいようにさせよ
人は自分のしたくないことでは力を満足に発揮できない
5. 4 仲間が仲間でいられなくなった瞬間を見逃すな
状況の変化から、仲間が自分と同じ闘争・目的・協力関係を維持できなくなる場合がある
その瞬間を見逃さず、互いのために距離をとれ
この時点では仲間は中立になっただけであり、敵ではない
6. 闘争を開始する前に
6. 1 愛せる闘争に身を投じよ
闘争の場や手段、目的まで、自分が愛せる闘争でなければ士気は上がらない
その闘いは容易に仕事と化し、勝利の達成は困難になる
6. 2 他人の闘争を引き受ける場合は、自分が何をすればいいか事前に明確にせよ
不明瞭な仕事は予想外に酷く大変になりやすい
6. 2. 1 自分を急かす場所には長居するな
冷静な判断力が発揮できないからである
6. 2. 2 闘争に失敗した場合の責任を事前に明確にすべし
闘争は事前に緻密な計画を立てても逃走・敗北せざるをえないときがある
これらの場合にどのような責任を取るか事前に交渉で確定すべし
6. 2. 3 闘争を途中で放棄する可能性を関係者に了承させるべし
闘争の途中で確実に失敗するとわかるときがある
そうしたときは速やかに仕事を放棄し、撤退すべきである
7. 闘争の方法
7. 1 闘争における行動は常に自分自身の勢力を削いで実行される
失われる勢力と得られる勢力の比率を可能な限り最大化できる闘争を行うべし
闘わずして勝つが最高の勝ち方である
7. 2 闘争の方法は守と攻に分けられる
守とはなるべく状況を自分の管理しやすい状態に維持すること
攻とは打ち倒すべき敵を弱点から一気呵成で制圧すること
7. 3 闘争は「攻9割・守1割」を目安とせよ
攻は奇抜であり楽しくしかも得られる勢力が極めて大きく見える
が、攻の大々的実行は状況を自身にコントロールできなくさせる可能性が高い
7. 4 守は既存の方法の踏襲、攻は新奇性の高い方法を採れ
既存の方法を踏襲すれば、予測しやすい状況に維持しやすい
新奇性の高い方法を取れば、状況は予測しにくくなる
8. 守の鉄則
8. 1 組織・地域環境ごとの礼儀作法をよく学びこれに従え
礼儀作法こそ人間関係と守の基本である
8. 2 睡眠や趣味の愉しみに没頭できる休日や休暇を常に確保せよ
体力を徒らに削る闘いは勢力を長期的には削ぐ結末になる
休日なくして勝利なし